(1)安倍首相と日本の主流は日本の力をあまりに高く見積もり、経済援助というカードで中国周辺国を抱き込み、中国に圧力をかけ、中国に譲歩を迫ることができると考えたが、各国は経済援助を歓迎しつつ、中国牽制には興味を示さなかった。しかも、中国が日本のこそこそした外交を無視し、実際には相手の出方を見て王道方式によって日本の外交空間を縮小し、日本はどうすることもできなくなった。
(2)中韓連携で日本に圧力。日韓両国の間に問題はあるが、韓国が朝鮮の脅威があるため、日米、米韓軍事同盟関係の枠組みから離脱することはないと日本は考えていたが、今では中韓両国が戦争認識の問題で「統一戦線」を構築し、日本に大きな圧力をかけている。
(3)米国は日本よりも中国を重視。6月の8時間にわたる中米首脳会談で米国の中国重視がより鮮明になった。オバマ大統領は先のAPEC首脳会議やASEAN首脳会議を欠席し、中国の指導者との衝突の可能性を回避したことで、日本の知識界は「日米安保条約」への懸念を深めた。
日本に安定した政権が出現すれば、戦略的に日本外交の可能性を考えるようになるはずだと筆者はずっと考えている。安倍政権が長期政権になる可能性は大きい。ということは戦略的に中日関係を調整するいい機会だ。彼の右派の本質を見る一方、客観的情勢によって安倍首相が現実主義への転向を余儀なくされる可能性にも注意しなければならない。(福島県立大学名誉教授 凌星光)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年10月18日