PL-12ミサイル
近年、中国空軍の新型戦闘機の登場が世界のメディアの間で騒がれている。英軍事週刊誌ジェーン・ディフェンス・ウィークリーはこのほど、「航空機は兵器を搭載するものにすぎない。優れた兵器がなければ、いかに優れた航空機もただの『牙を失った龍』にすぎない」とし、「このことを中国も知っていて現在改良型空対空ミサイル、様々な目標を対象にした空対地ミサイル、精密誘導爆弾など様々な兵器の開発に取り組んでいる」と述べた。内容は次の通り。
▽「空中戦の王者」の性能は予想以上
空中戦兵器の中でも超地平線空対空ミサイルは絶対的な王者といえる。現在、中国が自国で使用し、海外にも販売している主力ミサイル「SD-10」シリーズは洛陽光電技術発展センター(612研究所)が初めて開発したレーダー誘導空対空ミサイルだ。このミサイルはJ10やJ11B戦闘機搭載用に開発され、20世紀末にはすでに、J10とJ11Bがまだ開発段階にあるときに中国空軍が性能や供給が頼りないロシア製のR-77ミサイルに代わるものとして国産超地平線空対空ミサイルを同研究所に開発させた。
SD-10ミサイルの写真は2001年に公開されたが、具体的な性能は中国航天技術輸出入公司が海外の展示会で発表した。SD-10はよく米ヒューズ社が開発した先進的な中距離空対空ミサイル「AIM-120」と並べて比較される。両者の外観や誘導方法はよく似ているが、SD-10のほうが長くて重く、動力性能がAIM-120よりもいい。SD-10の最大射程は70キロメートル、固体燃料ロケットを推進力としている。
SD-10はアクティブレーダー誘導を採用し、飛行途中は慣性航法システムを利用、飛行終盤は機上に取り付けられたレーダーによって目標に照準をあわせる。昨年11月、612研究所の専門家は珠海航空ショーで同誌の記者に対し、同ミサイルはアクティブ探知とパッシブ探知の2モードの目標探知機能を備えていると明らかにした。これが事実なら、SD-10の性能は予測以上に先進的であることになる。現在SD-10シリーズはSD-10とSD-10Aの2種類ある。後者は前者より10センチ長く、重量も19キログラム重い。射程距離が長くなったが、最も重要な点は信頼性が高まり、製造コストが削減されたことだ。
中国はSD-10ミサイルの開発だけでなく、PL-12 (完成時期2006~2008年)、PL-12C(完成時期2006~2010年)、PL-12D(完成時期2010年)といった3種類の新型空対空ミサイルを完成させたことが昨年の珠海航空ショーでわかった。さらにPL-21と呼ばれる超地平線空対空ミサイルも開発中で2012年に完成する予定だ。