中国軍事マニアが考案したJ20の愛称を『Jane's Defence Weekly』が掲載
中国の軍事マニアにとって、成都飛機工業(集団)有限公司のテスト飛行場は心の聖地であり、J10、「サンダー」、J20などの中国最先鋭の戦闘機は全てここでテスト飛行を行った。成都の某企業で部門責任者をしているベテラン軍事マニア(40歳近く)の「HK2000(ハンドルネーム)」は『環球時報』の記者に対し、次のように語った。週末、天気がよく飛行に適した状態の時には、いつも飛行場に行くのが習慣になっている。彼は1月11日のJ20初飛行を振り返り、当日は飛行場周辺で数千人がそれをずっと待っていたと語った。人々の半数は全国各地から集まった軍事愛好家たちで、その熱狂ぶりは彼でさえ予想外のことだったという。
更に中国の軍事マニアにとって意外だったのが、彼らがネット上にアップした写真や動画が、海外メディアや中国の軍事動向に注目する機関、そして専門家の心をくすぐっていたことだ。英ガーディアン紙等は、まず写真の真偽を推測、「写真の撮影者、メディア公開の理由、これらは全て明確にできない。」とし、米『ウォールストリートジャーナル』などは、これに続けて、J20ステルス戦闘機の軍事マニアによる段階的「秘密漏洩」は中国軍側の意図的な策略ではないかと推測。中でも、英軍事週刊誌の権威『Jane's Defence Weekly』1月19日の報道が、中国の軍事マニアが今回の初飛行に与えた影響を最も体現しているといえよう。そのヘッドラインの文章では、中国の軍事マニア撮影の初飛行写真を全面的に採用しただけでなく、彼らがJ20の愛称として使っていた「ブラックシルク(黑丝)」という名前(これは第4世代戦闘機の略称「四代」と「丝带」の発音が同じこととJ20の塗装が黒いことから)もそのまま掲載したのである。
中国のJ20テスト飛行や中国の数多くの軍事マニアの介入は、日本のメディアにおいても様々な議論を巻き起こした。日本『毎日新聞』は、軍事マニアも戦闘機のテスト飛行も注目すべきものであり、「中国の民間撮影者による映像から、世界中がこの新しい戦闘機の起動を知った。」「中国市民社会の活性化」を示しただけでなく、「中国国防の透明性も改めて見直す必要がある」と報道した。また、日本の『サーチナ』サイトは、次のように指摘している。このプロセスは、中国における国防の動向が、ますます多くの民衆の注目を集めていることを意味する。「一般階級の民衆がこれらの情報を得られるのは、彼らが積極的に中国の軍事化過程に参与しているということである。」しかし、中国軍事マニアが国防討論に参与することで、最終的には平和を促進するのではなく、中国人の「民族主義」や「伝統的武力崇拝」を更に激化することになるという日本の一部世論もある。
数百万の軍事マニアを生んだ世界的大事件