「米国軍艦3分の1超が西太平洋地域に移転配備」が誘引する懸念

「米国軍艦3分の1超が西太平洋地域に移転配備」が誘引する懸念。

タグ: 米国 軍艦 西太平洋 中国 

発信時間: 2012-01-13 16:46:30 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

現地時間1月10日、米国海軍作戦部長のジョナサン・グリナート大将は、「今後10年間から15年間をかけ、米軍戦艦の3分の1以上を西太平洋地域に配備する」と発表した。これに対し、専門家の多くはアジア太平洋地域が新しい海軍軍備を競う舞台になり、米国の西太平洋地域における海軍増強がアジア太平洋地域の安全保障と協力体制に影響を与えるのは必至と懸念している。

アジア太平洋地域が海軍軍備拡張競争の舞台に

グリナート作戦部長は10日、米国シンクタンク・新アメリカ安全保障センター(CNAS)が開催した南中国海問題に関するフォーラムで「中国の軍事的台頭は確実に世界情勢に影響を与えており、米国海軍が西太平洋地域に存在し続けるのは、国際的な海運ルートの自由航行を確保するためだ」と話している。米国の新軍事戦略が発表されてまだ日が浅いが、米国海軍は世界における戦艦、戦闘機、装備の配備見直しを迫られている。初期の判断では、彼は米国海軍を西太平洋地域で「良好」な状態であり、米国はこの地域に戦艦50艘を含む強大な海軍力をもっていると認識している。うち、半数の沿海海軍勢力は日本付近に配備されている。

資料によれば、米国海軍には現在、戦艦285艘が世界各地に配備されている。世界42カ所の軍事基地を保有し、うち26カ所が米国国内、16カ所が海外で、海軍海外基地はアジアが多数を占めている。バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、日本、韓国、シンガポールなどを含む10カ国だ。米国は軍事費を削減せざるを得ない状況下で、海軍の軍艦も総数250艘まで減る予定だが、米国内では強力な反対がある。

今後の配備で、米国海軍は西太平洋地域に東京、プサン、沖縄、シンガポール、オーストラリア・ダーウィンに海軍基地前線を敷くだろう。シンガポールにはすでに米国原子力空母が寄航可能な港が建設され、米軍太平洋司令部の緊急計画や運営に使われる運営本部となる可能性がある。

学者の中には、アジア太平洋地域は新たな海軍軍備拡張競争の舞台になると懸念する声が多い。タイのチュラロンコン大学政治学部のThitinan Pongsudhirak主任は12日取材にこたえ、「フィリピンやベトナムは歓迎の構えをみせているが、ほとんどの国は懸念を示している。アジア太平洋諸国は、この地域で軍備拡張競争や大国が対峙する局面が発生することを望んでいないからだ。米国の西太平洋地域での海軍力増強は、必ずアジア太平洋地域の安全・協力関係に影響するだろう」と分析。

シンガポール国立大学東アジア研究所の陳剛研究員は12日、現段階の軍事予算から見ると、米国はアジア太平洋地域に大規模な軍事力を配備する実力を持たないという。しかし、長期的には、米国は間違いなく西太平洋地域に軍備拡大を続けるだろう。「米国の新戦略配備は依然として中国に対抗するものであり、中国の止まらない台頭に均衡をとる狙いがある」という。

陳剛研究員は、現在のアジア太平洋地域の局面からすると、大規模な軍事衝突が発生する可能性は極めて低い。米国の軍備調整も中国と戦争状態に入る段階まで衝動に駆られることはあり得ない。つまるところ「中米関係は全方位的な関係を網羅しており、しかも多くは経済貿易パートナーシップに主導される関係だ。仮に意見の食い違いが発生しても、台湾問題、人権問題、経済摩擦などの要素にも影響を受けることになる」と分析している。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年1月13日

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