資料写真:訪米の胡錦涛主席と会見するオバマ大統領
中国の台頭と米日の衰弱によって、米国主導の(東アジア)の古い秩序は継続が難しくなっているのは明らかだ。古い秩序は戦後70年近く続いた。オバマ米大統領のアジア回帰とアジアへの国防予算削減回避は、米国の東アジアに対する影響力が昔ほどではない現実を知らしめている。
ワシントンの東アジアへの比類のない影響力が失われたのは、中国の台頭が主な原因だ。数千年間、中国はアジアをリードする大国だった。そしていま再び輝かしい昔を取り戻そうとしている。その夢はもはや空想ではない。今の中国にはそれを実現する実力がある。中国の復興に立ちはだかる戦略的挑戦の複雑さと厳しさは米国や東アジア諸国がかつて経験したことのないものだ。
米中は権力を共有できないか?新しい国際秩序を平和に乗り越えるにはいいが、実現は難しいだろう。その理由は2つ。一つは、米政府が権力を手放して中国と共有しないからだ。2つ目は、強国の仲間入りした中国だが向かうところ敵なしではなく、その実力が長続きするとは限らない。環境や資源、人口といった大きな課題の他、ライバルも立ちはだかっているからだ。米国は不景気だが、完全に衰えたわけではない。米国は不景気だが、完全に衰えたわけではない。北京はいつか、ワシントンによる自らの戦略的利益を守るための巻き返しにあうかもしれない。
問題は、中米がいかに良性の競争を確保し、食うか食われるかの争奪を繰り広げないようにするかだ。北京が現在の西太平洋における政治・軍事政策を維持するのは困難かつ不可能だ。米国は、太平洋の海上の覇権維持は米国の安全保障に重要で、世界最強国の地位に関わると強く信じている。米国の東アジアの海洋権に対する中国の「挑戦」が米国のこうした信念に触れると、軍事・政治的に米国の反撃に遭うに違いない。