過去20年間、米国の対中政策は接触、協力、競争、防備、説教などごちゃ混ぜだった。北京への恨みと敵意が強まる中、米政府が直面する課題は、中国を国内政策の身代わり、或いは旧ソ連に代わる新たな戦略敵国にしないようにすることだ。中国を悪者扱いすれば逆に米国の東アジアにおける戦略利益に不利となる。それは中国の穏健派の立場が弱くなり、真っ向から対立する反応が起き、米中の緊張がさらに高まるからだ。
東アジアの古い秩序の解体によってそこに微妙な権力のバランスが生まれる。中国の地域に対する野心から、こうしたバランスの本質は不安定なものだ。中国が地域に対して野心を抱くのも理解できるし、米国が地域における古い主導的地位を維持しようとするのも理解できる。両国がこうした変化をうまくコントロールできるか、この世界が変遷する時代のアジアと世界が直面する中心的問題となる。(米誌「The National Interest」5-6月号 作者:エレン・デュポン氏)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年4月28日