中国は2週間前に開かれた世界貿易機関(WTO)の会合で、日米欧による紛争処理小委員会(パネル)を設置して中国のレアアースなどの原材料輸出規制を調査する要請を拒否した。関連の規則によると、本日開かれるWTO紛争解決機関の会合でパネルが正式に設置される見通しで、被申立国である中国は拒否できなくなる。「経済参考報」が権威筋から得た情報として伝えた。
これは、日米欧が中国レアアースに対するWTOの枠組みにおける訴訟を再び強めることを意味する。「経済参考報」の取材に応じた専門家らは、問題は複雑で、多くの面で駆け引きがあると見ている。現在の矛盾は「中国の輸出規制が資源や環境の保護のためか、高額利益を独占するためか」に集中している。駆け引きにより、中国は更に厳格なレアアース規制措置を採り、日米欧は訴訟において代価を惜しまずに勝訴に向けた手段に出ると見られる。
訴訟問題に関わる中国側関係者は、訴訟で中国側に比較的大きな圧力があると明かしたうえで、「駆け引きのあと、審理の過程において申立側と被申立側が和解する可能性も否定できない」と語った。
商務部のある官僚は近ごろ行われた会議で、「状況は非常に厳しく、商務部は各部門の協力のもとで応訴を進めている。国内のレアアースの管理は徐々にに強まり、絶えず改善されている。環境保護基準を実施し、資源税を大幅に引き上げると同時に、同産業への参入基準も策定中である。これらの行動はレアアース訴訟への対応において、抗弁のための基盤をある程度築いた」と述べた。
そうする一方で、同官僚は次のようにも語った。WTOは「例外条項」を厳密に説明し、中国の採掘、生産、消費、輸出の同時管理に対する要求を高めたい考えである。これにより、国内の採掘から輸出までを行う関係部門には密接な協力が求められる。商務部はその他の部門の輸出における管理作業に積極的に協力すると同時に、訴訟に適切に対応し、合法的な権益を勝ち取り、国内の管理政策の調整と産業の整理再編の時間を得られるよう努めている。
また業界関係者は、レアアースは一つの切り口にすぎず、日米欧の本当の目的は中国の戦略資源の保障体制と制度を崩すことであり、レアアース訴訟の決着がついても、その他の戦略資源に関する駆け引きは続くと懸念している。そのため、中国は戦略面において準備を整える必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年7月23日