「日本の対中国ODA」とは、日本政府が中国に対し提供している政府間開発援助を指し、円借款と無償資金援助ならびに技術援助からなっている。円借款がその90%を占めている。
1979年12月、大平正芳日本国総理大臣が中国を訪問した際、中国の建設のために援助を提供しようと、中国に低金利円借款を提供することを発表した。
円借款は鉄道、エネルギー、環境、農業、港、通信、交通などの広範な分野に及び、1980年から2005年3月までで、日本政府の対中国円借款の総額は、累計で約3兆1331億円に達している。
円借款は中国が政府協力資金を獲得する上で、最も重要なルートとなっている。円借款は中国のインフラ整備に大いに役立った。統計によると中国の総延長1万3000kmの電気鉄道に投入された円借款は、総投資総額の34.5%を占めている。建設された470の港の大型バースの12.2%も、円借款を活用して建設されたものである。首都空港、北京市の地下鉄の拡張、秦皇島港などの建設工事にも円借款が活用された。
円借款は、中日両国の経済交流と協力の基礎条件をつくった。中国のインフラ改善は、日本にとっては中国からの輸入や日本企業の直接投資のための環境整備となり、中国経済の発展は日本の対中国輸出を促している。
条件のよい円借款のほかにも、日本政府は中国に無償資金協力と技術協力を提供している。日本政府は中日友好病院の建設に164億3000万円に相当する器材・設備を、中日青年交流センターの建設には103億9100万円相当の器材・設備を無償で提供した。また、中日友好環境保護センターと敦煌石窟文化保護展覧センターの建設にも、それぞれ104億9900万円と10億4700万円相当の器材が提供されている。2003年に、中国でSARS(新型肺炎)が流行した時期にも、日本政府は適時に緊急無償により医療援助を提供している。対中国技術協力の面でも2004年までで、日本は中国に専門家を5315人派遣したほか、中国の研修生1万7053人を受け入れている。
中国政府と指導者は、円借款は中国の経済発展に積極的な役割を果たしてきたとし、度々感謝の意を表明してきた。日本の対中国ODAは、両国政府間の友好協力を具現するものであり、日本国民の中国現代化建設に対する長期的かつ実質的な支援である。
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