福島県の佐藤雄平知事は19日、菅直人首相と会談し、福島第1原発事故を受けた児童生徒の放射線対策を2011年度第2次補正予算案に盛り込むよう求めた。菅首相はこれに同意した。
福島市は放射線量低減策の一貫として、全ての市立小中学校、幼稚園、児童センターなど計193施設を対象に建物除染や校庭などの表土除去を行う。8月下旬までに終える計画だ。5月下旬から、放射線量の比較的高い市立小中学校など26施設で表土除去に着手する。保護者の不安が広がっていることから、市は全ての教育関連施設で処理を行うことを決定した。市によると関連経費は18億1500万円。追加補正予算案として6月に議会に提出する。
福島市はこのほか、市内で就学している15歳以下の子ども約3万4000人に小型放射線量計を配布することも決定した。対象となるのは保育園、幼稚園、小中学校、特別支援学校に通う児童や生徒。期間は9月から3カ月間で、市が毎月1度回収してデータを調べる。
福島第1原発内には放射性汚染水が約11万トンたまっている。1-3号機の冷却には1日500トンの注水が必要だ。汚染水の総量が減らない場合、今月末には限界に達し、外へ漏れ出すおそれがある。東京電力は17日午後8時から汚染水浄化システムの稼働を開始した。順調にいけば1日に汚染水1200トンを処理できるはずだったが、5時間後に停止してしまった。運転再開の目処は立っていない。