汚染水浄化システムは米国企業、フランス企業、日本企業の設備を組み合わせたもの。18日未明に停止したのは、セシウム吸着装置の放射線量が予想よりも早く交換基準値に達したことが原因だ。約5時間で交換基準値を超える毎時4.7シーベルトに達するとは想定外だった。5時間ごとに交換した場合、作業員の被曝リスクが大幅に増加するうえ、1日当たりの処理量も大幅に減少する。500トンを下回ると、汚染水が溢れ出るおそれもある。これを受け専門家は、汚染水浄化システムのどの部分にトラブルが生じてもおかしくないと指摘。世界初とされる放射性汚染水浄化システムの能力が試されている。
東京電力は17日、福島第1原発の事故処理の新たな「工程表」を発表した。最初の発表以来2カ月間で2回目の変更で、作業員の被曝対策や夏の熱中症対策の強化などが重要な柱だ。
東京電力は13日、新たに6人の作業員の被曝量が法定安全限度の250ミリシーベルトを超えたと発表した。被曝限度を超えた作業員はこれで8人となった。現在、体内・体外放射線量の測定が必要な作業員は計3000人。このほか約1400人の検査が厚生労働省の指示した6月13日までに終わっていない。同省はこうした遅れは「極めて厳しい非難に値する」として、6月20日までに完全な報告を提出するよう東京電力に求めた。原子力安全保安院も東京電力に対し、速やかに検査を完了し、「被曝量超過の徹底した原因究明と再発防止」を行うよう指示している。
「人民網日本語版」2011年6月21日