資料写真:F35戦闘機
日本のメディアが伝えた内容によると、田中直紀防衛相は2月29日の衆院予算委員会で、航空自衛隊への最新鋭ステルス戦闘機F35の導入について、「納入遅れや価格高騰が避けられない場合は契約中止あるいは新たな機種選定もあり得る」との認識を示している。『日本新華僑報』が伝えた。
カネが絡むと仲がこじれるのは世の常だが、日米にとってこれは初めてのことではない。先だって、日米外務・防衛審議官級協議が開かれ、在沖縄海兵隊のグアム移転についての具体的な協議が行なわれている。国内世論が高まる中で、日本政府は日本側の負担を減らすことを望んでいるが、米国側は一歩も引かない姿勢を貫いており、話し合いは平行線をたどるばかりだ。両国とも国内経済衰退により国力は低下している。そのため、カネが絡む問題が日米同盟に亀裂を入れるのは当然と言えよう。
日本は本当にステルス戦闘機F35の高騰を理由に契約を中止するつもりなのだろうか?金銭的な問題で協議を反故にしてしまうのだろうか?答えはノーだ。その理由を以下に示そう。
まず日本政府は米ステルス戦闘機F35を日本の次期主力戦闘機の有力候補として、かねてから目をつけてきた。戦闘機F35は開発、実験の過程で、その欠陥問題が何度か発生している。その開発の遅さ、価格、納入において日本は大きなリスクを抱えている、と指摘する声も多かった。だが、防衛省はそうした世論をよそに、F-35を選定した。そのため、今になって価格高騰を理由に別の機種を選定すれば、日本政府の「見切り発車」ぶりが露呈することになり、野党からの突き上げは避けられない。防衛相、財務相、ひいては首相までもが野党からその責任を追及されるようになるだろう。これこそ、野田政権が最も避けたい局面なのだ。