1970年代半ばには財政健全化が問題化していた。しかし政・財・官の《鉄のトライアングル》+ジャーナリズムが熱心に問題解決しようとした形跡が見られない。まったくないとは言わぬが、放置してきた。それをガラガラポンよろしく、一気決着というような幻想をばら撒くのは誠実さを欠く。
そもそも失礼ながら、政治(家)が国富を増やす原動力ではない。国富を増やすのは経済主体であり、日々労働に携わる圧倒的多数の庶民である。政治家が「国家・国民のため」とか、「命を懸けて」とか、「全身全霊を打ち込む」とか口にするのは大言壮語にして、概して食言の類である。
ましてこの際、どさくさに紛れて党派拡大を画策するなどは《火事場の○△》に等しい態度である。大問題を抱えているのだから揉めて当然、それこそ、寝食忘れて合意に達するまで政策論議をなすべし。それがプロだ。
政局のkraft manたるべからず。地道な論議を、納得できるまで執拗・真摯に展開する政治のkraft manたれ。総選挙に使うムダ金がどこにあるか。
奥井禮喜氏のプロフィール
有限会社ライフビジョン代表取締役
経営労働評論家
日本労働ペンクラブ会員
OnLineJournalライフビジョン発行人
週刊RO通信発行人
ライフビジョン学会顧問 ユニオンアカデミー事務局
1976年 三菱電機労組中執時代に日本初の人生設計セミナー開催。
1982年 独立し、人と組織の元気を開発するライフビジョン理論で、個人の老後問題から余暇、自由時間、政治、社会を論ずる。
1985年 月刊ライフビジョン(現在のOnLineJournalライフビジョン)創刊。
1993年 『連帯する自我』をキーワードにライフビジョン学会を組織。
2002年 大衆運動の理論的拠点としてのユニオンアカデミー旗上げ。
講演、執筆、コンサルテーション、インターネットを使った「メール通信教育」などでオピニオンを展開し、現在に至る。
高齢・障害者雇用支援機構の「エルダー」にコラム連載中。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年4月9日