◆大気汚染により中国を離れた日本人外交官は存在しない
中国を離れようとする外国人もいれば、それを軽率に口にしない外国人、さらにはまた訪中したいという外国人もいる。シカゴは米国の伝統的な工業センターであるため、国内のその他の地域と比べ、大気品質が劣っている。中国に駐在しているシカゴ出身者は、北京の大気汚染問題について、「子供の健康を懸念しているが、すぐに中国を離れるつもりはない」と語った。白人女性のダイアナさんは米国の敬虔なキリスト教徒で、退職後に中国の某大学で英会話を5-6年間教えている。彼女はこのほど、米国に帰国した。大気汚染を理由に帰国するのかと記者に質問された際、ダイアナさんはこれを否定し、「私は中国が好きで、今年の夏に戻る予定だ」と述べた。医療情報業界で働く米国人のスミスさんは、中国で8年以上に渡り会社を経営している。スミスさんは、「どの国も自国の問題を抱えている。北京の場合はそれが大気汚染かもしれないが、米国には別の問題が存在する。中国市場には大きなチャンスが存在し、大気汚染問題は中国を離れる理由にはならない。当社は米国の一流大学で卒業予定の中国人留学生を招聘しており、北京・上海の支社で勤務してもらうつもりだ」と話した。
米国在住の多くの華人・華僑が近年、中国に帰国することを選択している。米国籍の華人である閻波さんは、2年前に製薬企業からスカウトされ、中国で大部門の事業を担当している。閻さんは会社が大気汚染問題により中国から撤退する可能性について聞かれた際、「それはありえない。米国の製薬業界はコストが上昇し政府による管理が強化されている。当社は現在、数多くの臨床試験、基本原材料の配合、生物統計などの事業を中国に移転している。大気汚染は子供を持つ外国人家庭にとって深刻な問題だ。私の部門の数人の日本人社員は、大気汚染により家族を日本に送り返した」と述べた。
大気汚染による影響が、中国在住の日本人の懸念を招いている。しかし本紙が外務省の関係者を取材したところ、「日本人外交官は特殊な事情がなければ帰国を申請できないため、大気汚染への懸念から中国を離れたという話は聞かない」と述べた。しかし外務省は日本製のマスクを中国まで運び、外交官に窓の開閉に注意し、外出をなるべく控えるよう呼びかけている。在中国日本国大使館は専門家を招き、中国在住の日本人向けにPM2.5の危険性と予防知識について説明している。