米DEFENSE NEWS誌の電子版が2月27日付の「米軍サイバー部隊がいま形成」と題する文章で、米サイバー戦部隊の建設情況を紹介した。
◆どんな部隊か
米陸軍は2011年末、第780軍事情報旅団を創設、米戦略軍の下部に置かれ、米陸軍サイバー司令部が指揮し、潜在的脅威に関する情報収集を任務とする。同旅団のジョナサン・スウィフト指揮官によると、新部隊は1200人で構成され、まだ人数を満たしていないが、すでに80人を擁する本部と一大隊がある。
スタッフ構成からみると、同旅団は主に作戦スタッフ、つまりハッカーとしての身分がはっきりしている。軍内部に編制されている以上は、米軍隷下の「軍隊ハッカー」といえる。米軍は彼らを「サイバー戦のエキスパート」と呼んでいる。これは現在、世界最大のプロフェッショナルなサイバー戦部隊だ。
◆どんな作戦任務を担うのか
米陸軍第780軍事情報旅団はまったく新しい部隊で、主な作戦目的は、従来の作戦のように敵を倒したり、相手の重要尾奈軍事装備を破壊するのではなく、サイバー空間の中で攻防作戦を展開する。その装備も従来の銃や大砲、戦車、戦闘機、艦船ではなく、様々なネットワーク専用の攻防器材となる。
作戦スタイルについては、数々の映像作品で見られるように、ハッカーがコンピュータの画面を前に、見えない触れないサイバー攻撃の手段を使って作戦を行う。
この新部隊が従来の部隊と大きく異なるのは、いかに「平時」と「戦時」を区分するかだ。戦時は敵国のネットワークシステムを攻撃するが、平和な時にはどんな任務を執行するのか?平時は他の国、組織、個人のネットワークに攻撃を仕掛けるのではないか?これが最も懸念されている問題だ。
◆サイバー戦争はわれわれからどれくらい遠いのか