「スター政治家」の台頭も「中国化」現象の一つ
中国の歴史をひも解くと、地方の官僚の個人の能力が往々にして地方の盛衰につながっていることがわかる。日本の議会の立法機構は比較的脆弱で、しかも民衆が国の政治に失望を募らせた時、日本の一部地方官僚は「スター政治家」になりやすい。これは與那覇氏によると、地方自治における「中国化」現象の一つであるという。
次から次へと目眩めく代わる日本の首相、とうとう継続的な人気を獲得できる人間がいなくなったようだ。しかし、日本の地方に目を向けると状況はかなりちがう。目下、大阪市長を務める橋下徹などは日本で十分に人気を博しているし、少し前なら長野県知事だった田中康夫や鹿児島県の阿久根市の竹原信一市長などがいる。
田中康夫は、小説家で抜きん出た言語能力と人をひきつける力があった。橋下徹や竹原信一は他に類を見ない政治主張を通じて、全国的に有名な地方官僚になった。
たとえば橋下市長は、大阪府と大阪市を統合して大阪都を作り、東京都と同レベルの政治行政単位にしようとしている。
與那覇准教授からみると、日本の地方官僚の個性化が進み、地方政治が個人の影響を強く受けるようになるという点が、「中国社会とすでに大差なくなっている」というのだ。
3つのステップ