NGOグリーン・アクション代表で原子力の諸問題に取り組むアイリーン・美緒子・スミス氏は、「電力会社は故意に電力不足を煽っている」と警笛を鳴らしている。
昨年の冬、大阪府の原発がまだすべて停止していない段階で、関西電力は管内「10%の電力不足」とし、2012年2月にはさらに「25%の電力不足」に引きあげた。それについて、美緒子・スミス氏は、「電力不足のパーセンテージは何度も変わったが、その根拠は最後まで公表されなかった」と指摘している。
関西地区の企業を何社か訪問した陳言氏は「どこでも電力不足を警戒しているが、電力不足による減産は一度もないようだ」と述べている。
だが、日本政府はそうは思っていないようだ。すべての原発が停止すれば、原発を持たない沖縄電力を除く日本各地の電力会社9社に、平均0.4%の電力不足が生じるはずだと予測している。うち、北海道電力および九州電力はいずれも3%以上、原発依存が高い関西電力では約15%の電力不足に見舞われる、とし、節電対策だけでは対応できないレベルだ、と警笛を鳴らしている。5月5日、北海道電力の「泊原発3号機」の原子炉が停止した後、反原発の立場で活動を続ける文筆家・田中優氏が自身のブログで、「原発利権を手放したくない電力会社は、原発の必要性をアピールするために『偽装停電』を計画したのだ」とし、「偽装停電の夏をくいとめよう」と国民にアピールしている。
田中氏は、「原発停止による電力不足に対し、東京電力は手段を持っていたはずなのに、一般家庭にも計画停電を実行させた。節電に疲れた都民に『原発は不可欠なもの』という認識を持たせるために計画停電は行なわれたのだ」と説いている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年6月5日