山口組、住吉会、稲川会は、日本三大暴力団組織とされている。驚くだろうが、私は毎日出勤する際、住吉会本部の入口を通り過ぎる。また私のオフィスと住吉会本部は、直線距離にして200メートルしか離れていない。
住吉会本部
一昨日の午前、住吉会本部の入口を通り過ぎた際、5、6人の黒服が警戒に当たっていた。興味深いことに、この光景を前にしても、歩行者は避けようとさえしなかった。私が近寄ると、意外にも黒服の一人が私に向かって頭を下げた。私のことを知っているはずがないのだが、私たち庶民の道を遮ったことを詫びるべきと感じたようだ。
稲川会の売ビル
稲川会は3年前、赤坂の3階建てのビルを購入し、本部移転を計画した。このビルは住吉会本部と直線距離にしてわずか170メートルほどしか離れておらず、近くには赤坂消防署もある。周辺住民は本部移転の情報を知ると、直ちに抗議活動を展開した。半月後、稲川会は一般人からの抗議に勝てず、計画を断念し、ビルの売却を発表した。
日本の暴力団組織は、なぜこれほど一般人を恐れるのだろうか。そこには3つの原因がある。
まず、日本の暴力団組織はこれまで、「一般人に迷惑をかけない」ことを原則としてきた。山口組の5代目の組長はかつて、「人々の寛容こそが、我々の存在の礎である」と述べた。神戸市に本部を置く山口組は、現地の政府・警察・住民との関係改善に努めており、現地住民が助けを必要とした場合、組員が真っ先に駆けつける。ゆえに、暴力団組織の本部が身近にあったとしても、一般人をそれほど威圧することはないのだ。