安倍首相が憲法第96条改正を主張するのは、昨年12月に安倍政権発足後、支持率は70%の高水準を維持し、ロシア、中東歴訪で数々の成果をあげ、「アベノミクス」の国内での反響が良く、十分な自信があるためと一部のメディアは指摘する。
清華大学当代国際関係研究院の劉江永教授は、「安倍氏が任期内に戦後日本の政治の聖域だった憲法改正を目指しているのは、支持率や現在の情勢が比較的有利のため、臨時に決めたことではない。これは安倍氏を代表とする右翼・保守勢力が長年国内政治で目標としてきたことだ。彼らは憲法改正を政治の過程として一足飛びに目的を達成するのではなく、戦略的に手順を踏んで推進しようとしている。
安倍氏の祖父である岸信介元首相を含む自民党は1955年の結党当初から憲法改正を主張する声があった。現憲法の改正手続きだと、憲法改正案は衆参両院の3分の2以上の賛成が得られて初めて国民投票に付される。安倍氏は2006年9月に首相に就任した際すでに憲法改正の目標を掲げ、07年5月に「国民投票法」を成立させ、外からの障害を取り除き、憲法改正への第一歩を踏み出した。
劉教授は、「自民党は参議院で多数を占めないため、目下の憲法改正の最大の障害は参議院で3分の2以上の賛成を得ること。安倍氏は第96条を改正して憲法第9条を直接改正する難度を和らげようとしている。参院選で勝つため、自民党が第96条の改正を選挙前から提案する可能性は低い。選挙後単独で多数を確保できなければ、維新の会と連合して両院で3分の2以上を形成し、第96条を改正する可能性がある。安倍氏が衆議院でさらに多議席を確保する自信があるなら、早目に衆議院を解散し、7月に衆参両院同時に選挙に踏み切る可能性もある」と指摘する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年5月6日