APEC首脳会議の機に乗じ、中国の首脳との会談を目指す安倍首相の術策は、中国にとって百害あって一利なしだ。「環球ネット」が伝えた。
中日関係の冷え込みの真の原因
中日関係の冷え込みの真の原因を、釣魚島と言う人もあれば靖国神社と言う人もおり、また日本の右傾化と言う人もいる。しかしこれらの問題は昔から存在している表面的な現象であり、根本的なものではない。最も根本的な問題は中日の総合的な国力の逆転であり、日本に不安と不快感をもたらしている。これは中国人には想像しがたいものだ。
日本の書店やネット上で近年最も人気のある書籍・記事・報道は、中国を意図的に貶める「創作」でなければ、必死に見つけてきた印象の悪い「事実」である。肯定的な報道に注目しようとする人はおらず、日本メディアは読者が読みたがらない記事を書こうとしない。これは釣魚島と靖国神社の問題のせいかと思っていたが、詳細に分析するとこれが違うように思えてきた。
筆者は1985年に初めて訪日した。筆者の良心にかけて言うが、日本メディアは長期間に渡り中国に対して友好的であった。その根本的な原因は、日本の一般人が中国に好感を持っていたからだ。当時の世論調査の結果によると、中国に好感を持つ人の数は、米国に好感を持つ人とほぼ同じだった。
筆者は政治にあまり興味を感じない企業家だが、初めて驚かされたのは後の総理大臣の麻生太郎氏の、テレビ番組での発言だ。麻生氏は2008年に首相に就任したが、その前にテレビの前で『中国は厄介』という本を紹介し、最近最も熱心に読んでいると語った。主要な政治家がテレビでこのような観点を宣言するとは、それまでは想像もできないことだった。
その後、麻生氏は首相に就任し、初の国会演説で歴代首相が必ず口にしていた「日本は世界2位の経済大国として……」という言葉を繰り返した。しかし麻生氏は、これを最後に口にした首相になった。中国のGDPはその後日本を追い越し、遠く突き放した。
日本のシンクタンクも、中日関係の大きな変化が生じたのは2007年と分析している。その契機は、「毒餃子事件」だ。当時ある中国企業が日本に輸出した冷凍餃子から毒が検出され、刑事事件であることが証明された。中国の従業員は企業側に不満があり、意図的に毒を混入した。この個別の刑事事件が、日本のすべてのマスコミと政治家に喧伝された。筆者の子供まで、家でよく「毒餃子」を食べているのではと聞かれたほどだ。
これは中日のGDPが逆転する3年前のことだ。よく思い出すと、書店には当時『中国は厄介』のような書籍が並べられるようになった。これは右翼の政治家が、公然と中国への攻撃を開始した時期だ。この時期から日本経済の発言権が弱まり、輸出が縮小した。中国にとってこれは正常な発展だが、日本は深く傷ついた。
日本人の不安を利用する安倍氏