日本の航空自衛隊の次期戦闘機選定が続いているが、今のところ米国の戦闘機、F-35を選定する可能性が極めて高い。
◇米、F-22の売却拒否
日本の軍、政界はF-22戦闘機を気に入り、この「世界最強」と呼ばれる次世代戦闘機を入手したいと考えていた。
ただ「忠実な盟友」の米国は技術保持など様々な理由で売却を拒み、日本のFX戦闘機の更新計画が先延ばしになった。05~09年度の中期防衛計画で新戦闘機更新契約を調印する予定だったが、いまだにどの戦闘機が老朽化したF4に代わるのか決まっていない。
◇日本軍、F-35に気変わり
F-35は第5世代戦闘機に属し、レーダーに探知されにくいステルス性を備える。米・英・豪など8カ国が共同出資して開発、06年に初飛行に成功している。1機当たりの製造価格は約1億ドル。
F-22への想いを断ち切った航空自衛隊は今F-35に強い期待を寄せている。防衛省幹部は、中国或いはロシアに対する防空任務を遂行するのに、F-35は他の2機種よりも圧倒的な優勢を誇るとの見方を示す。防衛省と航空自衛隊はF-35をさらに、2020年前後に退役予定の主力戦闘機F-15と入れ替えようと考えている。
ただ、米国防省幹部は5月、F-35の初期作戦能力テストは2017年春に先延ばしになる可能性を示唆した。日本は2016年末の供給を求めている。開発主体の米ロッキード・マーチンはその後、「2016年の供給も可能だ」と述べた。
また防衛省は条件の一つとして、国内企業のF-35生産への参加を要求している。米側はこの要求を受け入れ、日本で戦闘機の最終組立てを行う方向で検討するとしている。
◇国産戦闘機の生産停止 軍需企業が撤退