軍需産業技術の研究開発の成果は、人材力と資金力で決まると一般的に認識されている。米国と違い、今の中国にはこの2つが揃っている。今では、中国には、研究開発に参与できる優秀な科学者やエンジニアが数多く揃っている。また、国内外の財政赤字に日々苦悶する米国政府とは異なり、中国は、財政的にも潤っている。
中国の高速鉄道技術が、わずか数年の間に、世界最先端のレベルに追付いたのは周知の事実である。その理由として、惜しみなく資金を投じたことが最も重要なこととされている。ある研究によると、中国の航空産業は、開発時期を経て主力産業になるまで必要となる人材力や資金力は、高速鉄道よりも少ない。
中国の工業生産の能力が高まったことで、国外の軍用艦艇建造プロジェクトに参与し、その技術を垣間見る機会がおとずれるようになった。2010年12月、上海振華港口機械集団株式有限公司が製造した、吊り能力1,000トン級のガントリークレーン船が、英スコットランドに向けて、上海港を出港した。英国が建造しているクイーン・エリザベス級空母のパーツ組立にそのクレーン船が使われる。空母発祥の国とされる英国において今、中国のクレーン船がその組立作業を行なっている。そのニュースは決して軽視出来るものではない。
「ズボン8億枚でようやくエアバスA380型1機を購入できる」というのは、すでに過去のことだ。国家財政は潤い、生産能力は高まり、実力のある新世代の技術者が誕生している。この3つが集まれば、中国の軍事力はますます発展していくに違いない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年6月10日