10月29日、千葉県銚子市の水産工場で働く中国人研修生、朱永衝さんが、日本人の同僚、印南義之容疑者に口論の末、鉄製の銛(もり)で叩き殺されるという事件が発生した。聞いただけでも心が痛くなる。
少しインターネットで検索してみると、近年、在日中国人が不意の事故で死亡する事件が相次いで発生していることが分かった。2010年末、三重県四日市市で働く23歳の技術研修生、王定祥さんが、踏切待ちをしていたところ、車に追突され線路に侵入、鉄道に轢き殺されるという事件が発生。今年1月には、千葉県船橋市の岸壁で、中国船籍の貨物船が着岸作業中、引っ掛かった係留ロープが甲板長の中国人男性の胸部に当たり死亡するという事件が起きた。2008年、中国人研修生の蒋暁東さんが過労死した事件は日本中を驚かせたが、死亡原因が過労死と認められたのは、2年後の2010年末になってからだった。2006年に中国人研修生、羅成さんが街中で日本の警察に射殺された事件もまだ裁判で決着がついていない。
このような事件は時間の経過により風化されるべきではなく、人々は安全への警鐘として捉えるべきである。日本に住む中国人はリスクが存在するという意識をもつ必要がある。
第一に、日本は地理的に自然災害が起きやすい環境にある。ここ数年は、自然災害が多発している。今年の東日本大震災や福島第一原発事故により、日本は「危険な国家」のブラックリスト入りを一気に果たした。
第二に、日本で仕事あるいは留学する中国人は、生活中に多くのリスクが潜んでいることを意識しなければならない。長期的に低迷する経済状況により、企業は減給や人員削減を決定、失業率も高止まりし、就職がさらに難しくなっている。また、日本政府は何度も外国人技能実習制度を見直しているが、まだ外国人研修生の職場条件は悪く、不法な残業、給料の未払いなどが次々と発生してる。研修生の正当な権利は未だきちんと保障されていない。さらに、中日の国民感情は度重なる事件によって悪化し続けている。現在、日本社会で最も多い外国人は中国人である。日本人と在日中国人が接する時間が増えるにともない、摩擦も増え、リスクが高くなる。在日中国人が適切に問題を処理できない場合、解決が困難になるだけでなく、リスクを高めてしまう危険性がある。
最後に、すべてのリスクの中で最も危険で、最も無視されがちなのは心理的リスクである。日本は生活コストが高く、ストレスの多い国家として世界で有名である。長く生活や仕事をすることで、心理的に様々な問題が起きうる。在日中国人は言語コミュニケーション面での障害や慣れない環境への不適応により、心理的問題を抱える確率が高い。憂鬱で塞ぎ込んだ感情は自殺を招き、感情の乱れは喧嘩の原因となる。マイナス思考や困惑から間違った道に走ることもあるだろう。在日中国人はこれらの心理的リスクに立ち向かわなければならない。人々はこれらのリスクを重く見る必要がある。(蒋豊)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年11月11日