中国人民銀行は5日夜、金融機関の人民元建て預金・貸出の基準金利を6日から引き下げると発表した。1年物の預金基準金利を0.25ポイント、貸出基準金利を0.31ポイント引き下げ、他の預貸金利および個人向け住宅積立金ローン金利も調整する。
今回の利下げは前回の6月8日の実施から1カ月も経っておらず、2008年9月16日以来の「非対称的利下げ」となる。「1カ月に2回という頻度は過去を見ると中くらいである。2008年9月16日から12月22日のわずか3カ月で5回の利下げが行われ、これこそ頻度の高い利下げだ」と、交通銀行の連平チーフエコノミストは話した。
非対称的利下げは、投資ニーズを刺激すると同時に預金者の利益を保護し、インフレ予期を適切に管理することを目的としている。
連平氏によると、7月1日に発表された6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.2で、景気の拡大と縮小の分岐点である50をわずかに上回っただけで、過去7カ月の最低水準となった。まもなく発表される第2四半期のGDP伸び率は8%を割る可能性が高い。これらは、景気後退のリスクがあり、安定的成長に一層重視する必要があることを示している。成長率は第2四半期に底打ちすると見られ、今回の利下げは継続的な景気後退を防止し、第3四半期の成長率を回復させ、政策決定部門の安定的成長に取り組む強い意志を示す効果がある。