■会議の結果は一方的な態度表明に過ぎず、共通認識には程遠い
会議にはASEAN10カ国のうちフィリピン、ブルネイ、マレーシア、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、シンガポール、タイの海事と法律の専門家が出席。カンボジア、ラオスは代表を派遣しなかった。今回の会議はフィリピン側の議案についていかなる結論も出していない。フィリピン紙「ザ・デイリー・トリビューン」は24日の論説で、専門家らは共通認識にいたらず、フィリピンの提案した「協力区」構想も承認せず、同議案が国際法に合致していることも確認しなかったと報じた。カンボジアとラオスの欠席は、この問題におけるASEANの足並みの乱れを浮彫りにした。
ある匿名の外交筋は人民日報の取材に、フィリピン主催の会議の結果は「一方的な態度表明」に過ぎず、「共通認識を形成する」段階には程遠いことを明らかにした。もし本当に共通認識に達したのなら、フィリピン政府は「共同声明」といった表現を使い、鳴り物入りで宣伝するに決まっている。同外交筋は、今回の会議は「ASEAN数カ国を招待した」に過ぎず、いわゆる成果はせいぜい「象徴的なもの」に過ぎないと指摘した。
人民日報が24日夜にフィリピン外務省のウェブサイトで確認した今回の会議に関するプレスリリースによると、海事と法律の専門家らは「ASEANは平和的で法律に基づく方法で南中国海紛争を解決する責任を有す」ことを認め、「南中国海における各国の行動宣言」の実行に向けたASEAN高官会議に「協力区」議案を提出できるとの認識を示した。だがプレスリリースには、議案について合意したことを示す記述は何もない。
議案をASEAN高官会議に提出できるとしても、フィリピン外務次官は24日の記者会見で「ASEAN加盟国がこの議案を不必要と考えるなら、取り下げる可能性もある」と認めている。
■いかなる新たな手法も、問題をさらに複雑化させるだけ