◇事実を歪曲する西側メディア
周知のように、国連常任理事国である米・露・中・英・仏のうち、空母を保有していない国は中国のみである。では、中国が空母の改造に着手したばかりの今、各国から疑問の声が絶えないのはなぜだろうか。米国のある学者は、中国は軍事費の3分の1を空母の建造に使っており、この膨大な数字は恐ろしいほどの規模だと語った。
紀教授は、この数字を否定した上で、「西側の学者たちは事実と真相を知らずに、中国をひたすら疑ったり、オーバーに取り上げたりしている。これは、『中国脅威論』をもっと広めたいという彼らの企みだけでなく、中国の台頭に対するねたみも含まれている。西側諸国は、一旦中国が広い海の世界に進出したら、自分らが500年間も保持してきた海洋の支配権を失うのではないかと懸念している。事実を歪曲して国際社会から注目を集め、中国の発展と進歩に障害を設けることが、西側諸国が中国の空母建造を宣伝している意図の核心である。」と語った。
歴史は絶えず進展し続けるものだ。いかなる大国でも、徐々に発展、台頭するという過程を踏まなければならない。世界のパワーの構造も絶えず変化している。学者として、事実を歪曲してはならず、国際情勢の変化を冷静に分析し、中国海軍の軍事力の発展を客観的にとらえるべきではないだろうか。
◇日本が「中国脅威論」を唱える真意
紀教授が見るには、日本は他の西側諸国より、海上における優位性を中国に取って代わられることを強く懸念している。世界でもっとも水中偵察力が強く、対潜水艦攻撃技術に優れた日本は、「第1列島線」から「第2列島線」までの公海海域をコントロールしている。日本の右翼も、数日で中国の海軍を徹底的にぶち壊すことができるとわめきたてている。しかし今、中国の海軍力の急速な発展を目にし、海上での優位を失うことを懸念するのは当然ではないだろうか。
当面、中日間の紛争は釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題に集中している。釣魚島問題は両国の交渉によって解決すべきもので、武力で相手を征服することはできない。そのようなことをすれば、この地域の情勢をより緊迫化させ、北東アジアの平安、安定と発展にマイナスに働くに違いない。この認識を踏まえ、中国は平和的にこの問題を解決しなければならないと一貫して主張している。
日本の自衛隊が、中国の空母がいったん部隊に配備されれば、釣魚島の周辺海域を「守る」日本の警備力を脅かすことになると懸念するのは正常なことであるが、国としてこの懸念を悪意を持って拡張し、またはこれを利用していざこざを引き起こすことは、下心がない振る舞いとは言えないだろう。
◇中国に他国を威嚇する意思はない