静かな海の中、青々とした魚がゆったりと泳いでいる。体中青一色の模様に白の斑点、所々にピンクの飾り模様がある。頭から突き出た触覚のようなものにも小さな赤い模様がある。まっ黄色のギョロッとした目の周りには、赤と黒の縞模様があり、非常に目立つ。
これは新種の魚ではなく、SF映画に出て来る特殊生物でもない。これは放射能の影響によって突然変異を起こしたナマズなのだ!「中国青年報」が伝えた。
2011年の震災後4週間目から今日に至るまで、水中カメラマンの鍵井靖章氏は放射能汚染の危険を冒し、幾度となく被災地付近の海底に潜り、ここ1年の間に海底で起こっている恐ろしい変化をカメラに収めてきた。
3月18日に広東省カメラマン協会潜水委員会の創立イベントにおいて、鍵井氏は貴重なこれら一連の写真を展示した。写真はネットに掲載されると、たちまち話題となった。
アメリカ・マサチューセッツ州ウッズホール海洋研究所の研究員Ken Buesseler氏は、日本の福島第一原発の事故後の海洋調査を担当してきたが、今年2月21日、「福島原発事故の放射性物質の流失を昨年6月から観察しているが、事故から1年近くが経った今でも、放射性物質の流出による汚染が広がっている。日本から30~640キロメートル圏の太平洋海域での放射性物質セシウム137の測定値が正常値より10~1000倍高かった」ことを明らかにした。
放射性物質は少なくとも海水によって640キロメートルの地域にまで広がり、今も広がり続けているということだ。海水以外にも、海に住む魚や生物からもセシウム137を含む放射性物質が検出されており、汚染レベルは震災前の海水の平均レベルの10倍以上で、汚染レベルが最も高いところでは1000倍の数値が検出されている。