平塚らいてう(1886〜1971)は、自由とは束縛からの解放のみでなく(それは当然で)、わが内なるgenius(天才)の発揮こそ自由への渇望だとした。明治の女性が民主主義の核心を見抜いていた。現代日本はいかがか。
三木清(1897〜1945)は、病気の快復としてしか健康を感じない現代人を指摘した。幸福について考えない現代人を指摘した。幸福だという人は多くない。非幸福=病気ならば、健康をめざさねばならない。
もしかして幸福でもないが、不幸だとも認識しない。きつく言えば動物的感性に支配されているのではないのか。
現代(日本だけではない)は混沌・混乱の渦中にある。混沌としているのはオツムである。混沌としたオツムが混乱を作り出しているのである。なおかつ、われわれは自分たちが作り出した状況を日常的に生きている。
混沌と手を切る思想を磨くしかないではないか。かつて先人たちの時代も混乱であった。彼らが時代を生き抜き、その偉大な遺物が古典として現代にもたらされている。歴史は積み重ねである。すべての歴史は現代の歴史を作る土台である。古典を読んで元気の栄養剤にしようという次第である。
奥井禮喜氏のプロフィール
有限会社ライフビジョン代表取締役
経営労働評論家
日本労働ペンクラブ会員
OnLineJournalライフビジョン発行人
週刊RO通信発行人
ライフビジョン学会顧問 ユニオンアカデミー事務局
1976年 三菱電機労組中執時代に日本初の人生設計セミナー開催。
1982年 独立し、人と組織の元気を開発するライフビジョン理論で、個人の老後問題から余暇、自由時間、政治、社会を論ずる。
1985年 月刊ライフビジョン(現在のOnLineJournalライフビジョン)創刊。
1993年 『連帯する自我』をキーワードにライフビジョン学会を組織。
2002年 大衆運動の理論的拠点としてのユニオンアカデミー旗上げ。
講演、執筆、コンサルテーション、インターネットを使った「メール通信教育」などでオピニオンを展開し、現在に至る。
高齢・障害者雇用支援機構の「エルダー」にコラム連載中。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年5月15日