文=コラムニスト・陳言
山名健司さんが四川省から戻ると、北京は既に帰宅ラッシュアワーで一番渋滞する時間帯だった。日本国際協力センターの総務部長として数十名の救援活動経験者と共に四川に行き、現地の被災市民やボランティアと交流活動をして来たところで、私と会った時の山名さんの顔は長旅の疲れを隠せない様子だった。
国際交流と言えば多くの人は文化やスポーツの分野を思い浮かべるだろう。
「ここ数年は防災や救援の分野で日中共有の経験が多くあり、国際協力センターもそうした分野を交流プロジェクトに加えたのです」
山名さんは言った。
日本国際協力センターは1977年の設立以来数多くの国際交流活動に関わってきた。例えば留学生の募集・受け入れや国際交流の専門家に対する通訳の提供などだ。
「今回は東日本大震災の救援ボランティアを組織し、四川大地震のボランティアや自治体との交流を目的に訪中しました」
センターがこうした活動に参加するのは今回初めてとのことだ。一行は11月24日に北京入りしてすぐ四川に向かった。
「現地で四川大地震のボランティアと会い、すぐに互いの経験に共通点が多くあることがわかりました」