急激な円安による副作用
日本の金融緩和策による副作用がすでに現れ始めている。社員の給与が増加せず、燃料および日用品の価格が上昇を始めており、一般家庭の生活の負担が増大している。日銀の無制限の国債購入は、長期金利の低下による企業の投資拡大を意図したものだ。しかし日本の株価が上昇し、債券市場から資金が流出し、国債価格が低下し、国債の利回りが上昇している。また財務省が10日に発表したデータによると、国債と借入金、政府短期証券を合計した国の借金残高が、3月末時点で991兆円だったと発表した。この金額はGDPの2倍に相当し、日本人は1人当たり778万円の借金を抱えていることになる。日本の財政構造の難題には、解決の兆しが見えない。
米ハーバード大学のマーティン・フェルドシュタイン教授は、「債務爆発と金利上昇は、経済危機という総合的な効果をもたらす」と指摘した。長期金利の急激な上昇は、日本国債の価格を引き下げ、家庭の資産を相殺することで、消費支出を制約する。高金利はさらに社債と銀行貸付に影響を与え、商業投資を抑制する。
急激な円安は、国際社会の懸念を引き起こしている。海外は、日本の新たな金融緩和策が大幅な円安を引き起こし、他国の対日輸出に影響を及ぼすことで、周辺諸国の経済およびその他の地域の経済発展を損ねることを懸念している。さらには、各国の意図的な為替操作による「金融戦争」が発生する可能性も指摘されている。
ジェイコブ・ルー米財務長官は、日本の金融政策への関心を表明し、「日本の景気刺激の取り組みは国際ルールを順守し、為替引き下げの競争を避けるべきだ」と警告した。米自動車政策会議(AAPC)は9日、日本政府の円安操作が、米国の自動車産業に不利な影響をもたらすと非難する内容の声明を発表した。
アナリストは、「日本の行為に不満があろうとも、米国や英国などは日本を非難しづらい。両国は長年に渡り、量的緩和策による景気刺激を繰り返してきており、米ドルとポンドの相場を低下させているからだ。日本はただ、やや大胆にやりすぎただけだ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年5月13日