地形 |
安徽省の地形は多様性をその特徴とする。淮河と長江が西から東へ流れ、それぞれ省の北部と南部を横断している。淮河の北側は広くて平坦な地形で、華北平原の一部に属する。長江と淮河の間は起伏する山地や丘陵地で、長江の中流・下流は地形が低くて平らな平原であり、長江の南側は主に山地、丘陵が延々と続いている。省内にある大別山、黄山、九華山、天柱山は主要な山脈であり、最高峰の黄山蓮花峰は海抜1860メートルに達する。安徽省は淮北平原、長江−淮河丘陵、皖西大別山区、長江沿いの平原地帯、皖南山間区という五つの自然の区域に分かれている。 |
気候 |
安徽省は暖温帯から亜熱帯へ移行する地区に位置し、淮河の北側は暖温帯半湿潤の季節風気候であり、淮河の南側は亜熱帯の湿潤季節風気候である。春、夏、秋、冬の四季がはっきりと分かれ、気候が温暖で、適宜な降雨量に恵まれているのが主な特徴である。年間平均気温は14度から17度で、南から北へ行けばいくほど気温が少しずつ低くなっている。年平均の無霜期は200〜250日間。年間平均降水量は770〜1800ミリメートルで、主に春と夏に集中する。日照が十分あり、年間平均の日照時間は1800〜2500時間。 |
土地資源 |
省全体の耕地面積は433万ヘクタールで、土地は肥沃で、各種の農作物の成長に適する。 |
水資源 |
省全体の水資源総量は約680億立方メートルである。安徽省は淮河、長江、新安江という三大水系を抱え、湖がたくさんあり、水域は広い。省内を流れる長江の長さは416キロメートル、淮河の長さは430キロメートル、新安江の主流の長さは240キロメートルに達する。長江水系には湖が多く、比較的大きなものとしては巣湖、竜感湖、南漪湖があり、そのうち巣湖の面積は800平方キロメートルで、中国の五大淡水湖の一つである。重要な水利施設として淠史杭灌漑施設と長江の水を導入する駟馬山灌漑施設などがある。 |
動・植物資源 |
省全域の営林用地面積は4.18万平方キロメートルで、省全域の土地の12%を占める。植物の種類が豊かで、野生植物が3200余種、そのうち、木本植物が1300余種、草本植物が約2100種ある。動物は約500種もあるが、そのうち、国の重点保護指定を受けた動物は約54種となっている。ヨウスコウワニ、ヨウスコウイルカという貴重なものもある。 |
鉱物資源 |
安徽省の鉱物資源は品種が多く、分布が広く、採掘量が大きく、しかも資源の組み合わせがよく、共生の鉱物が多い。こういう特徴は、全国、特に華東地域では際立ったものである。現在、省全域ではすでにさまざまな鉱物約135種類が見つかっており、67種類の鉱物の埋蔵量が確認済みである。そのうち、石炭、鉄、銅、イオウ、リン、みょうばん、セメントの材料となる石灰岩など20数種の鉱物の埋蔵量は全国のベストテンに入っている。現在、石炭埋蔵量(246.54億トン)は全国で7位、鉄鉱埋蔵量(299.9億トン)と銅鉱石埋蔵量(384.9万トン)は、いずれも全国で5位、単硫鉄鉱埋蔵量(5.64億トン)は全国で2位となっている。 |
観光資源 |
安徽省は中国で観光資源の最も豊かな省の一つで、国家クラス、省クラスのさまざまな観光スポットが290数カ所もある。その中には国家クラス重点景勝地が5カ所、歴史文化都市が3つ、国家クラス重要文化財保護指定を受けた景観地が9カ所、国家クラス自然保護区が3カ所、国家クラス森林公園が23カ所、含まれている。黄山、九華山を中心とする安徽省の皖南観光地区は、山水と人文の景観を兼ね備えたもの。黄山は珍しい松、奇岩怪石、雲の海、温泉で世に知られ、九華山は中国の四大仏教名山の一つである。斉雲山は長江以南の道教の聖地で、太平湖と新安江は、昔から「山水の画廊」といわれてきた。長江と淮河の間には、歴史の中では数百年も前からよく知られている天柱山、宋代の著名な詩人・欧陽修の文章で知られた琅郎山がある。采石礬、敬亭山、桃花潭、五松山、斉山と秋浦河など長江以南の山水は、唐代の詩人・李白が晩年によく行ったところで、詩にまつわる遺跡がたくさんある。それ以外に、小孤山、浮山、巣湖などの景観はそれぞれ特色がある。歴史文化都市の歙県、亳州、寿県は、悠久な文化と古い名所の建築物と伝説によって世に知られている。 |
環境保護 |
2001年末までに、安徽省の環境保護関係従業者は計4388人、省、市、県クラスの環境観測ステーションが78個となる。煙塵コントロール地域がすでに138も画定されており、その面積は計845.5平方キロメートルに達するものとなった。すでに環境雑音基準をクリアした区が90、面積は311.8平方キロメートルに達した。都市汚水処理場の建設も進展を遂げ、3つの都市汚水処理場も完成し稼動し始め、淮河流域にある6つの汚水処理場の工場地区工事も基本的に完成し、合肥望塘汚水処理場も着工し始めた。巣湖と省管轄の淮河主流の水質は基本的に安定するようになった。
生態環境保護においても一定の突破があった。省全体には国家クラス生態モデル地区が21あり、面積は455.88万ヘクタールに達し、国家クラス、省クラスの自然保護区が31もつくられている。重要な生態機能区の保護の仕事もスタートしており、大別山区、皖南山区、長江沿い洪水調節区、淮河沿い洪水調節区と巣湖など5つ重要生態機能区の整備目標を打ち出し、そのうち淮河沿いの洪水調節区はすでに国家クラスの重要生態機能区として認可されている。 |