海抜 |
吉林省の東部は、海抜が1000メートル以上の長白山山地と500メートル以下の吉林東部の低い山からなる丘陵地帯である。西は、吉林省の牧畜基地とも言われ、西は地勢の低い松花江遼河平原である。 |
林業と草
原資源 |
吉林省は中国の六大森林地帯の一つである。長白山山脈が延々と数百キロも続き、昔からも「長白林海」という名がつけられていた。省全域の営林用地面積は972.26万ヘクタールで、省全体の土地総面積の51.37%を占め、全国で12位である。そのうち、樹地面積は797.67万ヘクタールで、営林用地面積の82.04%を占め、全国で8位である。全省の立木の総蓄積量は8.4億立方メートルで、全国で6位である。森林カバー率は42.4%。最高地点は海抜2691メートルの長白山の白雲峰である。
西部の草原は、松(花江)嫩(江)平原の中心部にあり、わが国の著名な草原の一つで、羊草の産地として国内外でよく知られている。多年生イネ科牧草と群生イネ科牧草が優位を占め、平原湿地草原に属し、北方における国の肉用牛と細毛種のヒツジの主産地の一つである。
吉林省の利用可能な草原面積は437.9万ヘクタールに達し、西部と東部に集中している。
吉林省の西部はユーラシア草原の最東端にあり、水源が豊富で、草の質もよく、ホルチン(科爾沁)草原の一部であり、吉林省の牧畜業発展の基地でもある。 |
鉱産資源 |
吉林省は鉱産資源に恵まれ、これまでに確認されている鉱物は136種類もある。そのうち、埋蔵量が確認されているものは93種で、開発、利用されているものは75種。また、22種類の鉱物の埋蔵量は全国で5位以内に入っている。主な鉱物は:石炭の埋蔵量は約21億トン、石油の採掘可能埋蔵量は11399万トン、鉄鉱石の埋蔵量は4.6億トン、金の埋蔵量は全国で13位であり、オイル・シェール、ケイ藻土とケイ灰石など10種類の鉱物の埋蔵量は全国で1位であり、輝岩と二酸化炭素ガスの埋蔵量は全国で2位であり、モリブデン、ゲルマニウムの埋蔵量は全国3位であり、石油の採掘可能埋蔵量は6位である。非金属鉱物は吉林省にとっては優位があるもので、輸出されているものはたいてい非金属鉱物の原料とその製品である。ケイ灰石、ケイ藻土、バントナイト、耐火粘土などは、採掘が十分に確保されている。石油、ガスや石炭の埋蔵量も豊富である。 |
野生動植物 |
山間地帯資源も豊富で、特に長白山区は野生動植物の資源がもっとも豊かである。吉林省は、内外でも有名な「東北の三寶」――薬用人参、テンの毛皮、鹿茸の産地である。レイシ、オニノヤガラ、不老草、北の黄耆、マツタケ、ヤマブシタケ、カエルの油脂なども国内で名が知られている。
長白山区には、植物資源が2300種もあり、経済面の利用価値が比較的高いものが900種以上ある。薬用植物は870種余り、食用植物は200種以上ある。工業で利用できる品種の良質の樹木は長白マツ、魚鱗松、ヤチダモ、イエロー・パイナップル、オニグルミ、紫ムクゲなどである。野生ブドウ、五味子(ゴミシ)、コケモモ、サンザシなどは酒を醸造する原料として使われている。蜜の原料になる野生植物は300種以上にも達する。陸生動物資源は437種以上もあり、毛皮がとれる貴重な動物としてはニホンジカ、クロテン、カワウソ、オオヤマネコ、東北虎、ヒョウ、花尾鶏などがあり、貴重な薬用植物はアカシカ、ジャコウジカ、クマ、アナグマ、カエル(クイナ)、林蛙などがある。イノシシ、ノロ、キジなどは、経済上の利用価値が比較的高い。 |
農作物 |
吉林省は土壌肥沃で、ダイズ、植物油の原料、テンサイ、たばこの葉、麻、イモ類、薬用人参、製薬原料、果物などの栽培に向いている。現在栽培総面積は395.9万ヘクタールに達している。
吉林省は中国最大の商品化食糧の基地で、トウモロコシやダイズや米などが多くとれる。
松花江遼河平原は中国の重要な食糧生産基地で、世界でも有名なトウモロコシの生産地である。
吉林省の一人あたりの食糧保有量、商品化された食糧の比率やトウモロコシの輸出量は連年全国で1位となっている。 |
観光資源 |
吉林省は観光資源にも恵まれている。省都長春市では、傀儡満州国政権関係建物の旧跡、浄月潭森林公園、旧ソ赤軍戦没将兵記念塔、自動車工場団地、長春映画製作所などがあり、文化都市の象徴である吉林大学、長春光機学院や長春大学などの大学もあり、名門ホテルやシャングリラホテルをはじめとする五つ星ホテルなどの施設もたくさんある。吉林市には、竜潭山高句麗山城、北山公園や豊満松花湖がある。集安には、丸都山城、洞溝古墓群、東方のピラミッドと称される将軍墳や好太王碑がある。また、敦化の六頂山渤海古墓群、延吉の城子山山城、通化の靖宇陵園、農安の遼の塔及び伊通の火山群などいろんな名所がある。そして、長白、安図と撫松の三県にまたがる長白山自然保護区には、天池、滝、温泉群や大峡谷がある。 |
気候 |
吉林省は北半球の中緯度地帯、ユーラシア大陸の東部に位置し、わが国の温帯の最北端にあり、亜寒帯にも近い。東は黄海と日本海に近いので、気候は温暖湿潤で、雨もかなり多い。西は海から遠く離れ、蒙古高原にも近いため、気候は乾燥している。全省についていえばは、温帯大陸季節風気候に属し、季節の移り替わりが著しい。ほとんどの地域の年平均気温は3℃-5℃で、年間の日照時間は2200-3000時間、年間の温度の貯蓄量は2700℃-3600℃、年間の降水量は550-910ミリ、霜が降りない期間は120-160日、雨と熱がともに変化するのも特色であり、農作物の成長にとっては有利である。毎年霜が始めて降るのは9月の下旬で、最後の霜がおりるのは翌年の4月の末や5月の始め頃である。 |