地形 |
湖南省は東南西の3方から北に向かって傾斜して開かれたウマのひづめの形を呈している。東、南、西は山に囲まれている。東には幕阜山、羅霄山脈があり、南には南嶺山脈、西には武陵山、雪峰山脈がある。湖南省の北部は洞庭湖平原であり、湖南省の中部は丘陵と渓谷と盆地が交互につながっている。省全域の土地総面積の中で、山地が51.2%、盆地が13.9%、平原が13.1%、丘陵が15.4%を占める。標高50メートル以下の面積は総面積の9.9%を占め、l000メートル以上のものは総面積の4.3%を占め、大部分の地域の標高は100メートルないし800メートルの間である。 |
気候 |
湖南省は大陸型中亜熱帯モンスーン湿潤気候である。省全域の年間日照時間数は1300〜1800時間であり、年間平均気温は16〜18℃の間であり、無霜期は260ないし310日間に達し、年間平均降水量は1200ないし1700ミリの間にある。気候には3つの特徴がある。1、太陽光、熱、水の資源が豊富で、三者が高い数値を示す時点はまた基本的に同時性の傾向がある。省全域の4ないし10月の太陽光の総量は年間総量の70ないし76%を占め、降水量は年間総降水量の68ないし84%を占めている。2、気候の年内における変化がかなり大きく、冬は寒く夏は蒸し暑く、春は暖かくてよく変化し、秋は暖かくて気温が急に下がり、春と夏は雨が多く、秋と冬は乾燥している。気候の年間変化も大きい。3、気候の垂直的変化の最も著しいところは3方を山に囲まれた山間地であり、とりわけ湖南省西部と湖南省南部の山地はいっそう著しい。 |
土地 |
省全域の耕地は392.16万ヘクタールで、総面積の18.5%を占め、林地は947.05万ヘクタールで、総面積の44.7%を占め、植樹に適したはげ山は15.94万ヘクタールで、総面積の0.8%を占め、淡水の面積は135.38万ヘクタールで、総面積の6.4%を占めている。省内の土壌は赤色の土壌、黄色の土壌を主とし、省全域の総面積の半分以上を占めている。水稲の生長に適した耕地が約二割を占めている。 |
水資源 |
省内の多くの水系に恵まれ、湖南省北部の洞庭湖の水面面積は約2691平方キロで、全国で2番目の淡水湖である。主な河川としては湘江、資水、沅江、澧水があり、それぞれ南西から北東へと洞庭湖に流れ込み、城陵磯を経由して長江に流れ込んでいる。湘江、資水、沅江、澧水の4本の川の省内における長さは2200キロ余りに達し、支流が5000本近くもある。省全域に5キロ以上の河川が5341本もあり、5キロ以上の河川の総延長は9万キロで、河川の年間総流量は2004.3億立方メートルである。地表の水資源総量は1759.2億立方メートルで、地下(浅い層)水量は438.5億立方メートルである。 |
鉱物資源 |
湖南省は鉱物資源が豊かで、鉱物の種類がかなり多い。全国ですでに確認されている140余りの鉱物のうち、湖南省には111種があり、そのうち埋蔵量が確認済みのものは83種で、全国で鉱物品種のわりに多い省の1つである。湖南省は「非鉄金属の里」といわれており、鉱物の種類、そして埋蔵量を問わず、全国で重要な位置を占めている。現在埋蔵量が確認済みの非鉄金属は37種で、そのうちアンチモンの埋蔵量は世界1位で、タングステン、ビスマス、モナズ石は全国1位で、鉛、亜鉛などの埋蔵量も豊富である。非金属鉱物は非鉄金属鉱物に次ぐ2番目の鉱物資源であり、埋蔵量が確認済みのものの中で、蛍石、重晶石、長石、海泡石などの埋蔵量はいずれも全国1位である。その他のものとしては石灰石、二酸化ケイ素、白雲石、単硫鉄鉱、リンなど30種以上がある。石炭埋蔵量は長江以南の9省(自治区)の中で1位。 |
エネルギ
ー資源 |
湖南省のエネルギー資源関係の建設は主に原炭採掘、原油加工と電力建設からなる。
現在、確認済みの石炭埋蔵量は34億トンである。石油の埋蔵量は探査の段階にあり、現在原油は採掘していないが、大型原油加工企業が建設されている。
水力資源の蓄積量は1532.45万キロワットで、そのうち開発可能な埋蔵量は1083.84万キロワットである。現在すでに鳳灘、東江、五強渓などのわりに大きい水力発電所が建設されており、1998年までに、水力発電容量は510万キロワットに達した。火力発電所も次々と新たに建設され、拡充されており、1998年末までに、火力発電容量は482万キロワットに達した。2010年以前にいくつかの水力発電所と火力発電所を建設し、原子力発電所建設の前期準備作業も確実に推し進めることになっている。湖南省の電力網はすでに省全域の90%以上の地域をカバーしている。 |
生物資源 |
湖南省は動物の種類も非常に多く、分布もかなり広い。統計データによると、哺乳類が70種、鳥類が310種、爬虫類が70多種、魚類が160余種もあり、省全域の野生動物の資源の中で、国家クラス保護指定を受けている稀少動物が44種もあり、そのうち一類保護指定動物はバイジー、華南虎などの18種で、二類保護指定動物はアカゲザル、サルなど19種で、三類保護指定動物はクマなど7種である。
湖南省は中亜熱帯地域に位置し、気候は温暖で、植生に恵まれている。省全域の森林カバー率は34.3%で、林業使用土地は省全域の土地総面積の57.4%を占めている。現在木本植物が2470種もあり、樹木蓄積量は1.84億立方メートルで、そのうち材木林は1.84億立方メートルで、年間生長量は1100余万立方メートルに達し、中国南部の重要な木材生産基地の1つである。そのほか、省内にはさらに豊富な牧場資源がある。 |
観光資源 |
湖南省は美しい山と川に恵まれ、名所旧跡が多い。省全域には現在文化財の名所が2万余ヵ所も発見されており、そのうち全国重点文化財保護指定を受けているものは22ヵ所、省クラス重点文化財保護指定を受けているものは211ヵ所である。湖南省にはあわせて4つの国家クラス自然保護区、22の省クラス自然保護区、21の国家クラス森林公園があり、省全域のさまざまな自然保護区面積は7260余平方キロで、省全域の総面積の3.43%を占めている。省全域には現在風景名勝区が43ヵ所開発されており、そのうち衡山、武陵源、岳陽楼・洞庭湖、韶山の4ヵ所は国家クラス重点景観区であり、そのほかに省クラス景観区が27ヵ所ある。武陵源景観区(張家界、索渓峪、天子山と猛洞河などの景観区を含む)は地形が奇異で、清流の谷川、鐘乳洞、温泉が一体となり、かなりの樹齢の木が高くそびえ、珍しい鳥類が出没し、国連のユネスコによって「世界自然遺産リスト」に組み入れられている。衡山は著名な仏教聖地と避暑景観地であり、岳陽楼はその長い歴史、すばらしい伝説と雄大なスケールで国内外に名を馳せ、省都長沙は著名な歴史文化都市であり、長沙の馬王堆漢墓、岳麓山、愛晩亭、橘子州、岳麓書院、中国共産党湖南区委員会旧跡などはよく知られた観光スポットである。 |
環境の状
況と問題 |
2001年に、省全域においてあわせて129ヵ所の環境保護モニタースポットが設置され、現在、環境モニタリング要員が2107人もおり、環境汚染防止プロジェクトを331完成し、環境汚染防止プロジェクトの投資額は2.71億元に達した。煙・ほこり制御区を157建設し、面積は495.2平方メートルに達し、環境騒音基準達成区は126で、面積は267.7平方キロに達した。都市の汚水集中処理率、都市の生活ゴミ無害化処理率、工業用水リサイクル利用率はそれぞれ27.3%、52.1%、54.0%で、昨年より9.2%、1.6%、1.9%向上した。洞庭湖の総合対策には望ましい成果が見られ、生態環境はいちだんと改善し、湖の周辺地区面積もいくらか拡大しており、洪水防止力もいくらか強まった。
しかし、一部の地域の環境汚染と生態系破壊の深刻化の勢いは依然として効果的にコントロールされていない。 |