地形 |
湖北省は中国の階段状に傾斜する地勢の第二段階から第三段階へと向う地域にあり、西、北、東の三方は武陵山、巫山、大巴山、武当山、桐柏山、大別山、幕阜山などの山に囲まれ、中央部は平坦な長江―漢江平原であり、南に開けるように、湖南省の洞庭湖平原へとつながってゆき、周りの低い山地以外、海抜はほとんど35メートル以下である。地形は多種多様で、山地や丘陵、平原がそれぞれ総面積の55.5%、24.5%、20%を占めている。地勢の高低の差が大きく、西部は「中国の屋根」と呼ばれる神農架の最高峰である神農頂であり、海抜は3105メートル、それに対し、東部にある監利県の譚家淵の近くでは標高はゼロである。 |
気候 |
亜熱帯季節風気候である。十分な日照に恵まれ、気温は高すぎるくらいであり、霜害期間も短く、降水量も豊富で、雨季と猛暑の季節が重なり、農業生産に適した気候である。年間の日照総量は一平方センチメートルで85−114キロカロリーとなっており、年平均日照時間は1200〜2200時間、無霜期は230〜300日間、年平均気温は13°〜18℃、最高気温は41℃に達し、最低はマイナス14.9℃である。年平均降雨量は1182.3ミリメートル、地域による差が大きく、武陵山山間地帯では降水量が1600〜1700ミリメートルに達するが、北西部は700-800ミリメートルで、降水量のもっとも少ない地区である。 |
鉱産物 |
1997年までに、すでに136種の鉱物が発見されており、そのうち、埋蔵量がすでに確認されている鉱物は86種ある。リン鉱石、金紅石、珪灰石、ガーネット、泥灰岩などの鉱物の埋蔵量は全国で5位、鉄、リン、銅、石膏、岩塩、金の水銀、マンガン、バナジウムなどの埋蔵量も全国で上位7位を占める。すでに採掘されている鉱物の中で、全国で重要な地位を占めるのが多い。湖北省ではエネルギー資源が乏しく、現在確認されている限り、石炭や石油、天然ガスの埋蔵量は少なく、石炭の埋蔵量は5.48億トンである。 |
水資源 |
地表水の容積は全国で10位。省内に河が1193本もあり、総延長は37000キロメートルある。長さ100キロメートル以上の河が42本ある。長江は西から東へと省内を流れており、その長さは1061キロメートル。漢水は長江の最大の支流で、北西から南東へ流れ、武漢で長江に合流している。省内における漢水の長さは878キロメートル。湖北省は「一千の湖のある省」とも呼ばれている。1985年の統計によると、湖は1300余りとなっており、面積が3平方キロ以上の湖が約300もあり、その大部分が長江―漢水平原に集中している。省に浅い地下水の埋蔵量が豊かで、約2650億立方メートルもあり、採取可能埋蔵量は年間355.7億立方メートルで、全省におけるなが年の平均的な地表水の流れの総量の約36%に相当する。地下水は水質もよく、埋蔵量も安定している。 |
エネルギ
ー資源 |
水力資源が豊かで、開発可能の水力資源が3340万キロワットもあると見られており、全国で4位を占める。水力発電事業が急速な発展をとげ、発電総量の約2/3を占め、241.88億キロワットに達し、全国の19.08%を占め、トップ地位となっている。葛洲ダム水力発電所は現在中国で最大の水力発電所で、そのほかに丹江口や隔河岩、漢江、堵河、黄竜灘、白蓮河、陸水・富水など、大・中型の水力発電所がある。小型の水力発電所は省内各地に分布している。世界で注目されている長江三峡ダムプロジェクトの工事も現在急ピッチですすめられており、2003年に発電を始める予定で、発電所では全部で70万キロワットの発電機26台が据え付けられ、総発電容量は1820万キロワット、年間発電量は847億キロワットとなる見込み。近年、武漢市や荊門市、黄石市などで数箇所の火力発電所が新たにつくられた。 |
土地 |
湖北省の総面積は185897平方キロで、全国の総面積の1.94%を占める。1人当たりで0.32ヘクタールの土地がある。耕地面積は334.92万ヘクタールで、1人当たりの耕地面積は0.06ヘクタール。 |
動植物 |
陸上の脊椎動物が570種類以上もあり、そのうち、数十種類は国の保護指定を受けている希少動物である。例えば、キンシコウ、閩中の羊、蘇門カモシカ、金銭ヒョウ、マエガミジカ、退色型神農シロクマ、白ジャコウジカ、白ジカ、白蛇、および白い冠の長尾キジ、赤腹のジュケイなど。湖北省には魚類が175種もあり、全国の淡水魚の約四分の一を占め、国の重点的保護指定を受けている動物としては、中華チョウザメやシロチョウザメ、臙脂魚、オオサンショウウオ(一般にはサンショウウオと称されている)などの珍しい希少水生動物がいる。
湖北省の植物は南から北への移行地帯の特徴が目につく。北部の落葉広葉樹もあれば、南部の常緑広葉樹も多い。野生植物が2000種類以上もあり、そのうち、薬用植物は1300種以上、樹木の種類は1300余り、世界の希少植物や中国特有の植物が30種類以上もある。完ぺきな形で保存されている神農架原生林は、天然の亜熱帯動植物園である。 |
観光資源 |
観光資源は、山水の名勝と文物の古跡がともに存在している。長江三峡などの国家クラス名勝区が6ヶ所、神農架などの国家森林公園が13ヶ所、国家自然保護区が3ヶ所ある。神農架と武当山はユネスコにより「人間と自然保護圏計画」と「世界の文化と自然遺産目録」に組み入れられている。長江三峡と黄鶴楼、葛洲ダムは「中国の有名な観光地40地」に選ばれた。
湖北省には国の歴史文化都市が五つもあり、国の文化財保護指定を受けたものが20ヶ所、省クラスの文化財保護指定を受けたものが365ヶ所、楚の城の遺跡が5ヶ所、楚の文化遺跡が73ヶ所、三国時代の歴史遺跡が140ヶ所ある。 |
環境の状
況と問題 |
全体的には煤煙型の汚染の性格のものであり、主な汚染物質は石炭を燃やして、発生した粉塵、ほこりである。河川の水質汚濁の主な汚染物はアンモニア系窒素であり、その次は過マンガン酸カリ指数である。
環境整備企画:『湖北省の世紀にまたがる緑色プロジェクト企画(第一期)』には94件のプロジェクトがあり、半分以上はすでに竣工している。現在、湖北省環境保護局により、『湖北省の環境保護「第十次五ヵ年」計画および2010年構想』と『湖北省の緑色プロジェクト企画(第二期)』の編成作業もすでに完了している。 |